抄録
近年台湾では,日本の小学校に相当する国民小学及び中学校に相当する国民中学,高等学校に相当する高級中学において,STEM教育の観点を重視して,3Dプリンタやレーザー加工機などのデジタルファブリケーション機材を積極的に活用した自造者教育が急速に普及しつつある。本研究では台湾北部にある新北市立永和国民中学の訪問調査を行い,教科「生活科技」の取り組みについて,日本の中学校における教科「技術・家庭」の技術分野との比較検討を行い,デザイン思考が重視されていることを明らかにした。また,自造者教育の拠点となる新北市及び宜蘭市の自造者教育センターの訪問調査に基づき,従来の手わざの教育だけでなく,デジタファブリケーション機材を活用したSTEM教育を重視した自造者教育に取り組んでいることを明らかにした。