抄録
本研究では,児童1人1台のICT端末を用いながら,Kolodner(2002)のLearning by Designの考え方に基づいた探究の活動と創造の活動を往還させるSTEAM教育を開発した。具体的には,1)ワークシートに調査の計画や研究・デザインを記述させること,2)児童のICT端末で構築・テストを実施すること,3)共有スライドを活用して発表・共有を支援する学習環境を構築した。開発したSTEAM教育を小学5年生の総合的な学習の時間で実践し,児童の公的自己意識の高低に着目しながら,学習方略と課題設定の関連を分析した。その結果,公的自己意識の高低にかかわらず,「タブレットから手がかりを集めようとする」学習方略と課題設定,および「勉強をするとき,くり返し心の中で考える」学習方略と課題設定に関連が認められた。