STEM教育研究 : 論文誌
Online ISSN : 2434-6438
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選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 2025 年7 巻 p. 1-2
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/04
    ジャーナル オープンアクセス
  • 北澤 武, 森田 裕介
    2025 年7 巻 p. 3-11
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/04
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,児童1人1台のICT端末を用いながら,Kolodner(2002)のLearning by Designの考え方に基づいた探究の活動と創造の活動を往還させるSTEAM教育を開発した。具体的には,1)ワークシートに調査の計画や研究・デザインを記述させること,2)児童のICT端末で構築・テストを実施すること,3)共有スライドを活用して発表・共有を支援する学習環境を構築した。開発したSTEAM教育を小学5年生の総合的な学習の時間で実践し,児童の公的自己意識の高低に着目しながら,学習方略と課題設定の関連を分析した。その結果,公的自己意識の高低にかかわらず,「タブレットから手がかりを集めようとする」学習方略と課題設定,および「勉強をするとき,くり返し心の中で考える」学習方略と課題設定に関連が認められた。
  • 赤堀 侃司
    2025 年7 巻 p. 12-20
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/04
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は, 自然科学や社会科学などの正解が決まっているテーマについて, 教師と学習者および学習者間で対話を行い, その思考過程を可視化して, その特徴を分析した結果を報告している。この研究分野は, 授業研究とか授業分析と呼ばれ, 授業実践に影響をもたらした長い歴史を持っているが, その流れを概観した上で, 本研究の特徴を対比的に述べる。本研究方法については, 10の科学的課題をテーマにして, 14名の大学生を対象にして合計14の対話事例を逐語記録して, 対話の思考過程を可視化して, その特徴を分析した。その結果, 4つの対話パターンとして分類することができた。この対話パターンを検討することで, 対話における思考過程の特徴を抽出することができた。さらに, それらの特徴を模式図として表現した。本研究によって, これまでの授業分析研究にも寄与できる示唆が得られた。
  • 後藤 大二郎, 露木 隆, 米田 重和, 荒木 薫, 松尾 敏実
    2025 年7 巻 p. 21-31
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/04
    ジャーナル オープンアクセス
    筆者らは地域の小中学生の探究活動を支援する学生サークル「佐賀大探究お助け隊」(以下,お助け隊)を立ち上げ,学生が中学校や社会教育の発明クラブにボランティアとして参加し,子どもの探究活動を支援する取組を行った。「お助け隊」に参加した学生の心情の変化を明らかにし,子どもの主体的な学習を支援できる教員を育成するための示唆を得ることを目的とした。本実践により教職への不安が解消し,子どもの発想や関心・意欲の大切さに気づくことを通して,教員を志す気持ちが再燃しており,複線径路・等至性モデルを描くことで,学生の心情の変化を明らかにした。お助け隊の活動は,学生の就職に対する不安を払拭し,子どもの主体的な学びを支援していこうとする意識の変容に寄与していた。
  • 小川 修一郎, 坂本 優子, 清水 恒平
    2025 年7 巻 p. 32-41
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/04
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、通信教育課程の大学生を対象としたオンライン講義でのジェネラティブアート制作支援のための生成AIチャットシステム「Creative Copilot」の有効性を評価するものである。STEAM教育の一環として技術的スキルと芸術的感性の統合を目指すことを目的としている。Creative Copilotは自然言語処理技術を基礎とする生成AIを活用し、個別化された学習支援や即時的なフィードバックを提供する。 混合研究法を採用し、定量的および定性的データを収集・分析することで、システムの導入が学生の積極的参加度、内容理解度、満足度に統計的に有意な改善をもたらしたことを明らかにした。質的分析からは学生がシステムと頻繁かつ有意義な対話を行っていたことが確認された。対話ログ分析からは学生の対話パターンが基本的概念の理解から具体的な問題解決、さらには高度な技術的探究へと深化していったことが示唆された。NPSスコアからは大多数の学生がシステムを肯定的に評価していることが判明した。
  • 石田 歩夢, 岡部 恭幸
    2025 年7 巻 p. 42-50
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/04
    ジャーナル オープンアクセス
    AI,ロボット,IoTなど先端科学技術発達に伴って急激に変化していく社会に対応して社会的な課題を解決できる人材育成が求められているという背景の中,STEM教育およびSTEAM教育が世界的に注目を集めている。中央教育審議会答申(2021)では,STEAM教育を通じて資質と能力を育成することが示されている。しかし,STEM教育において「科学,技術,工学,数学の統合」に関して,各教科の知識やスキルを活用するだけではなくそれらを創ったり深めたりするような活動の必要性が指摘されている。特に数学の位置づけについては単なる道具に過ぎないのかという問題が提起されており,その解消が望まれている。本稿では,探究的活動と創造的活動とを架橋するモデルであるLearning by designモデルを用いて,数学教育とSTEAM教育の統合に焦点をあて,数学の知識が創られたり,深まったりすることが位置付けられているSTEAM教育の構築を目指し,その基盤となる理論について検討する。
  • 武村 愛, 中川 雅子, 中田 大貴
    2025 年7 巻 p. 51-58
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/04
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、バスケットボールの1対1におけるディフェンス動作に関し、ディフェンス力と視線制御の関連性に着目し、ディフェンス力の高い選手と低い選手の特徴の違いを明らかにすることを目的とした。対象は中学生および高校生のバスケットボール選手とし、コート内で1対1を実施してもらった。視線の動きを記録するために、ウェアラブル・アイマークレコーダーを使用した。また、ディフェンス力の指標として独自の観察的動作評価法を作成し、選手を評価した。実験の結果、ディフェンス時の視線の位置は選手の身長や経験年数に関わらず、個々の意識によって決定されることが示された。特に、ディフェンス力が高いと評価される選手は、相手選手の体幹部分(特に腹部や腰部)に視線を集中させている傾向が確認された。従来のバスケットボール指導現場では、ディフェンス時に重心を低く保つスタンスの指導が主流であるが、相手選手の体幹部分に視線を向けることも、より効果的な指導法である可能性が示唆された。
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