日本血栓止血学会誌
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特集:「血栓止血の臨床─研修医のためにIII」
7.ITPと妊娠中の問題点
山田 秀人
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2008 年 19 巻 2 号 p. 202-205

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抄録

Point
(1)妊娠中の血小板減少原因のうち,ITPやSLEなどの自己免疫性血小板減少症は約4%と少ない.
(2)ITP合併妊娠では,妊娠中および分娩時の出血リスクが増大し,約14%の頻度で新生児血小板減少症を発症する.
(3)妊娠中は出血傾向をなくすことがITP治療の主目的である.
(4)プレドニゾロン投与が第一選択となることが多いが,緊急性が高い時には免疫グロブリン大量投与を行う.
(5)原則的に,分娩様式は経腟分娩であり,帝王切開は産科的適応による.

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© 2008 日本血栓止血学会
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