日本血栓止血学会誌
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特集:「血栓止血の臨床―研修医のために」
4.DDAVP(止血薬,抗線溶薬の適応と使用法)
柴田 優
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2009 年 20 巻 3 号 p. 289-291

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抄録
Points
(1) DDAVPは血管内皮細胞に作用し,vWFおよび第VIII因子の循環血漿中への放出を促す.
(2) vWD,中等症~軽症血友病Aの治療,特に小出血,抜歯や小外科処置などに有効である.
(3) 0.2~0.4μg/kgを20~100mlの生理食塩水で希釈し20~60分でゆっくり静注する.投与30~60分後に第VIII因子活性,RCoFは頂値に達し,4~8時間止血効果が期待できる.症例ごとに反応が異なるため輸注試験を行うことが望まれる.
(4) 12~24時間おきに追加投与が可能であるが,3日以上の反復投与では,しばしば放出効果が減弱する.
(5) 顔面紅潮などしばしば認める副反応はあるものの,中止を要する重篤なものは少ない.長期投与では水分の貯留に注意する.
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© 2009 日本血栓止血学会
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