日本血栓止血学会誌
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特集:「血栓止血の臨床―研修医のために」
3.抗線溶薬(止血薬,抗線溶薬の適応と使用法)
朝倉 英策林 朋恵
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2009 年 20 巻 3 号 p. 285-288

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抄録
Points
(1) トラネキサム酸はリジンと類似した構造を有し,プラスミノゲンのリジン結合部位と結合して,フィブリンへの吸着を阻止することで抗線溶作用を発揮する.
(2) トラネキサム酸が最も止血効果を発揮するのは,全身性の線溶活性化が原因の出血である.
(3) DICに対する抗線溶薬の投与は原則禁忌である.
(4) 急性前骨髄球性白血病に対してATRAを投与している場合には,トラネキサム酸は絶対禁忌である.
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© 2009 日本血栓止血学会
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