日本血栓止血学会誌
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特集「血栓止血の臨床―研修医のために」
血小板機能異常症の診断と対応(血小板関連疾患)
金子 誠矢冨 裕
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2009 年 20 巻 5 号 p. 487-494

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抄録
Points
(1) 血小板機能に障害があり,粘膜,皮膚の出血が主体の止血困難,出血傾向を呈する.
(2) 血小板数は正常から軽度低下,出血時間が延長,凝固時間(PT,APTT)は正常であることが,本症を疑う糸口となる.
(3) 的確に問診や診察(既往歴,家族歴,基礎疾患,服薬歴など)を漏れなく行うことが重要である.
(4) 血小板無力症などの先天性血小板機能異常症では,重篤な出血症状の際に血小板輸血を行う必要がある.
(5) 血小板機能異常症のなかでも一般臨床で頻度が高いのは,血小板機能を低下させる薬剤によるものである.
(6) 血栓止血学に造詣の深い医師や検査技師,また他施設の専門医にコンサルトをし,確定検査などのための検査を行った上で,出血に対して的確な治療を施行すべきである.
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© 2009 日本血栓止血学会
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