Points
(1) 血小板輸血の目的は,血小板の量的,質的低下に基づいた出血の予防(予防的投与)や治療(治療的投与)である.
(2) 輸血に用いる血小板濃厚液は,厳密な保存条件で,使用期限はわずかに4日間である.
(3) 輸血の適応は,1)血小板数のみではなく,2)出血症状(出血スコア)や3)成因や合併症,侵襲的処置の有無等の出血リスクを勘案して,総合的に判断する.
(4) 白血病等の造血器疾患や化学療法に伴う造血障害での予防的投与(内科的予防投与)の血小板基準値(トリガー値)は1~2 万/μl である.
(5) 外科手術時の過剰出血の予防(外科的予防投与)や活動性の出血の治療(治療的投与)では,血小板数5 万/μl 以上を目標に輸血する.
(6) 標準は10 単位製剤で,輸血で3~5 万/μl 血小板数の増加が期待され,基準値を維持するには造血停止状態では週2~3 回の輸血が必要である.
(7) 輸血翌日の血小板数を測定して,効果判定を習慣づけ,輸血不応があった場合は,その原因を検討して,対応する.
抄録全体を表示