日本血栓止血学会誌
Online ISSN : 1880-8808
Print ISSN : 0915-7441
ISSN-L : 0915-7441
20 巻, 5 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
特集「血栓止血の臨床―研修医のために」
  • 山﨑 雅英
    2009 年 20 巻 5 号 p. 481-483
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/30
    ジャーナル フリー
    Points
    (1) 動脈血栓,静脈血栓では基礎疾患が異なることに注意する.
    (2) 再発予防として,動脈血栓は抗血小板療法が,静脈血栓に対しては抗凝固療法が主体となる.
    (3) 弁置換術,心房細動による心源性脳塞栓に対する予防にはワルファリンが第一選択となる.
  • 小嶋 哲人
    2009 年 20 巻 5 号 p. 484-486
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/30
    ジャーナル フリー
    Points
    (1) 先天性凝固阻止因子欠乏症の多くは血栓性素因を来す.
    (2) 家族性や反復性,比較的若年発症,腸管膜静脈や上矢状静脈など非典型的部位での血栓症発症などの特徴ある臨床像を呈することが多い.
    (3) 日本人の血栓性素因の原因となる先天性凝固阻止因子欠乏症にはAT欠損症,PC欠損症,PS欠損症によるものが多く,それぞれの原因遺伝子変異が同定されているものもある.
    (4) 特にPS欠損症を来すPS K196E変異は,日本人の55人に1人がヘテロ接合体にもつ遺伝子多型(SNP)の一つで,軽度にPS活性が低下する.
    (5) PC欠損症のホモ接合体では新生児電撃性紫斑病の発症報告がみられる.
  • 金子 誠, 矢冨 裕
    2009 年 20 巻 5 号 p. 487-494
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/30
    ジャーナル フリー
    Points
    (1) 血小板機能に障害があり,粘膜,皮膚の出血が主体の止血困難,出血傾向を呈する.
    (2) 血小板数は正常から軽度低下,出血時間が延長,凝固時間(PT,APTT)は正常であることが,本症を疑う糸口となる.
    (3) 的確に問診や診察(既往歴,家族歴,基礎疾患,服薬歴など)を漏れなく行うことが重要である.
    (4) 血小板無力症などの先天性血小板機能異常症では,重篤な出血症状の際に血小板輸血を行う必要がある.
    (5) 血小板機能異常症のなかでも一般臨床で頻度が高いのは,血小板機能を低下させる薬剤によるものである.
    (6) 血栓止血学に造詣の深い医師や検査技師,また他施設の専門医にコンサルトをし,確定検査などのための検査を行った上で,出血に対して的確な治療を施行すべきである.
  • 半田 誠
    2009 年 20 巻 5 号 p. 495-497
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/30
    ジャーナル フリー
    Points
    (1) 血小板輸血の目的は,血小板の量的,質的低下に基づいた出血の予防(予防的投与)や治療(治療的投与)である.
    (2) 輸血に用いる血小板濃厚液は,厳密な保存条件で,使用期限はわずかに4日間である.
    (3) 輸血の適応は,1)血小板数のみではなく,2)出血症状(出血スコア)や3)成因や合併症,侵襲的処置の有無等の出血リスクを勘案して,総合的に判断する.
    (4) 白血病等の造血器疾患や化学療法に伴う造血障害での予防的投与(内科的予防投与)の血小板基準値(トリガー値)は1~2 万/μl である.
    (5) 外科手術時の過剰出血の予防(外科的予防投与)や活動性の出血の治療(治療的投与)では,血小板数5 万/μl 以上を目標に輸血する.
    (6) 標準は10 単位製剤で,輸血で3~5 万/μl 血小板数の増加が期待され,基準値を維持するには造血停止状態では週2~3 回の輸血が必要である.
    (7) 輸血翌日の血小板数を測定して,効果判定を習慣づけ,輸血不応があった場合は,その原因を検討して,対応する.
  • 高松 純樹
    2009 年 20 巻 5 号 p. 498-500
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/30
    ジャーナル フリー
    Points
    (1) 新鮮凍結血漿は濃縮製剤のない凝固因子の補充と血漿因子の補充のみ意義があり,濃縮製剤のある凝固因子欠乏症には使用しない.
    (2) 複合型凝固異常(肝障害,DIC,大量出血時)の止血に用いられる.
    (3) 血漿因子の補充として,血漿交換置換液としてTTP に用いられる.
    (4) 単なる循環血漿量の維持,栄養補給などには用いない.
    (5) 輸血用製剤であるので,免疫学的副作用,輸血後感染症については十分留意する必要がある.
特集「不育症と血栓止血」総説
総説
トピックス
第3回Daiichi-Sankyo Symposium for Thrombosis Update
編集者への手紙
feedback
Top