日本血栓止血学会誌
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特集「血栓止血分野における遺伝子解析と遺伝子関連検査の現状とその展望」
血友病の遺伝子変異とインヒビター発生に関与する1塩基多型—血友病の遺伝子変異の知見と考察—
篠澤 圭子
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2012 年 23 巻 5 号 p. 472-480

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抄録

血友病Aは血液凝固第VIII因子の遺伝子変異を病因とし第VIII因子の量的・質的異常,血友病Bは血液凝固第IV因子の遺伝子異常によっておこる第IX因子の欠乏・異常により引き起こされる,出血性疾患である.血友病の遺伝子解析は,病因遺伝子変異を直接同定する確定診断であり,高い臨床的有用性と意義を持つ.血友病の補充療法の止血効果を激減させるインヒビターの発生は,遺伝的要因と環境要因が複雑に関与し,特に遺伝的には免疫関連遺伝子などの1塩基多型が関与することが徐々に判明してきた.
血友病の病因遺伝子変異とインヒビター発生に関与する1塩基多型の解析とそのデータの集積は,分子病態解明はもとより,新しい治療法の戦略や開発に,非常に重要な情報となる.さらに,今後の血友病医療において,遺伝子変異とインヒビター発生に関与する1塩基多型の解明が,個々の患者におけるテーラーメイド医療の発展を推進すると考えられる.

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© 2012 日本血栓止血学会
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