日本血栓止血学会誌
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脳梗塞急性期における血管内治療
吉村 紳一
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2013 年 24 巻 6 号 p. 603-608

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抄録

我が国では2005年に組織プラスミノーゲンアクチベーター(recombinant tissue plasminogen activator:rt-PA)静注療法が認可され,これまでに5万例以上に治療が行われたと報告されている.しかしその普及とともに,rt-PA静注療法においては適応外症例と無効例が多いという問題点も明らかとなった.最近,rt-PA静注療法の適応時間は発症後4.5時間まで延長され,MerciリトリーバーとPenumbraシステムによる血栓回収療法も可能となっている.しかし,2013年に血管内治療に関する3つのランダム化比較試験が公表され,,いずれも血管内治療の有効性に関して否定的な結果であった.一方,最近ではより高い再開通率をもたらすステント型リトリーバーが開発された.今後はこのステント型リトリーバーをはじめとする次世代型デバイスを用いたランダム化試験により血管内治療の有効性が証明されることが期待されている.

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© 2013 日本血栓止血学会
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