日本血栓止血学会誌
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特集:血液凝固の制御機構と臨床応用への展望
トロンボモジュリンの臨床応用
池添 隆之
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2014 年 25 巻 1 号 p. 61-69

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抄録

要約:トロンボモジュリン(TM)の細胞外領域を人工的に作成したリコンビナントTM(rTM)が,播種性血管内血液凝固症候群(DIC)に対する治療薬として,2008 年5 月から日本で発売され臨床使用されている.このrTM は抗凝固作用のみならず,抗炎症作用と血管内皮細胞保護作用を併せ持つ非常にユニークな薬剤である.発売開始後既に5 年が経過し,我々は急性前骨髄球性白血病,造血細胞移植後の内皮細胞症候群や敗血症をはじめ,様々な基礎疾患に合併した195 例のDIC 患者をrTM で治療し,その有効性と安全性を裏付けるデータを得たので本稿で紹介する.

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© 2014 日本血栓止血学会
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