日本血栓止血学会誌
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総説
尿毒素による腎・血管障害と向血栓傾向
丹羽 利充
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2015 年 26 巻 3 号 p. 318-322

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抄録

要約:慢性腎臓病(CKD)患者では心血管疾患(CVD)の発症率および死亡率が高くなり,心腎連関といわれている.CKD が進行すると血中に尿毒素が蓄積してくる.尿毒素であるインドキシル硫酸は腎障害を進行させるのみでなく心血管障害をきたす.またCKD 患者ではステント血栓が起こりやすいなど向血栓傾向がみられる.インドキシル硫酸は血管内皮細胞,血管平滑筋細胞,末梢血単核球において組織因子の発現を亢進させる.さらにCKD 患者の血中組織因子濃度は血漿インドキシル硫酸濃度と正相関している.CKD の進行期では血中に蓄積しているインドキシル硫酸が血管細胞の組織因子の発現を亢進させ,向血栓傾向をきたしている可能性が示唆されている.

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© 2015 日本血栓止血学会
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