2015 年 26 巻 4 号 p. 396-401
要約:医薬品の後期臨床試験は,臨床開発ステージの中で検証段階の臨床試験を指し,具体的には後期第II 相から第III 相試験を意味する.後期臨床試験は単独の試験として良い成績を出せばよいのではなく,薬事承認申請資料の一部として,他の様々な試験結果と整合性があり,かつその中で推測された最良の用法・用量の有効性が検証され,安全性についてリスクベネフィットのバランスが受け入れ可能であることを示さなければならない.後期臨床試験の目的は,予想を越えるようなすばらしい結果を出すことではなく,それまでの検討結果から予測された程度の有効性を検証し,かつ受入れ可能な安全性を示すことにある.本稿では,このような観点から後期臨床試験のデザインについて概説する.