2015 年 26 巻 6 号 p. 626-632
要約:これまで遺伝子改変動物作製はES(embryonic stem)細胞を用いた作製法が主流であり,ES 細胞が樹立されていない系統については,ノックアウト動物の作製が難しかった.近年,新たなゲノム編集技術としてZFN(Zinc Finger Nuclease),TALEN(Transcription Activator-Like Effector Nuclease),CRISPR/Cas9(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat / CRISPR associated proteins)など,受精卵に核酸をインジェクションすることによる遺伝子改変動物(ノックアウト動物やノックイン動物)の作製法が次々と発表され,注目を集めている.ゲノム編集技術を用いて遺伝子改変動物をこれまでより容易に作製できる時代が来た.この技術が今後の科学の発展の一翼を担うことは間違いない.