特集 血管内皮細胞機能の最新知見
三次元人工微小血管モデルによる血管内皮細胞のフェノタイプ解析
2019 年 30 巻 3 号 p. 512-520
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2019 年 30 巻 3 号 p. 512-520
要約：創薬において，in vitro では細胞レベルの解析しか行えず，in vivo ではその複雑さから組織特異的な現象の詳細な解析が行えない．この乖離をつなげるために，近年，三次元的に組織を模倣したモデルの構築が盛んに行われている．ボトムアップ的に構築された三次元人工微小血管モデルを用いることで，血管新生・透過性といった，血管組織構造レベルでのフェノタイプがライブイメージング可能となる．このフェノタイプ解析は，in vitro とin vivo のギャップを埋めるような詳細な解析が行えるだけでなく，標的薬剤・遺伝子が持つ血管に対する未知の機能を発見することができ，今まで説明できなかった作用機序や副作用の原理を解明できる．創薬の薬剤探索が終了した際には，まず三次元人工微小血管モデルを用いてフェノタイプ解析を行い，疾患改善の有意性を示す必要性があると考える．
