抄録
赤血球不規則抗体スクリーニングにおける間接抗グロブリン試験の反応増強剤をアルブミンからポリエチレングリコールへ切り替えたことによる不規則抗体の検出感度についてretrospectiveに比較検討した.
1990~1996年に不規則抗体検査を行った25,947患者 (実数) と1997~2003年に不規則抗体検査を行った23,039患者 (実数) を比較した.
赤血球同種抗体陽性率は, Alb-IATでは, 1.07%, PEG-IATでは1.16%であり有意差は認められなかった. しかし, 抗体の特異性は, PEG-IATでは, 抗E, 抗Jkaがより多く検出され (p<0.05), 抗Lebの検出は少なかった (p<0.01). 遅発性溶血性輸血副作用 (DHTR) は16例で観察された (Alb-IAT期10例, PEG-IAT期6例). DHTR関連抗体として, 抗Rh, 抗Jkaが多く検出された.
DHTR関連抗体は, PEG-IATの方が多く検出されたが, PEG-IATがDHTRを防ぐ検査法としてAlb-IATよりも有用であるとは証明されなかった.