日本輸血細胞治療学会誌
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原著
自動血球洗浄装置(ACP215)で調製した洗浄血小板の品質
平山 順一岩間 輝茶谷 真小野寺 秀一金子 祐次柴 雅之永井 正佐竹 正博田所 憲治
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2016 年 62 巻 6 号 p. 705-710

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抄録

自動血球洗浄装置ACP215を用い,採血翌日および採血翌々日の濃厚血小板製剤(PC)から血小板保存液BRS-Aによって調製した洗浄血小板の品質について,洗浄後72時間まで検討した.

洗浄による血漿タンパク除去率は98%以上,血小板回収率は平均87%以上であった.

採血翌日PCから調製した場合,pHは保存期間中6.8を下回ることはなかった.MPVは洗浄直後に上昇したがそれ以降は洗浄前と有意差が無いレベルまで戻った.%HSRは洗浄直後に10%低下し,その後は洗浄前よりも高い値を示した.血小板の形態を表す指標であるE800/E0の値は洗浄直後に上昇し,その後は低下し洗浄前の値に近づいた.CD62Pの値は洗浄直後に36.8%まで上昇したが,洗浄直後から72時間後までは有意な変化がなかった.スワーリングは洗浄直後には一時的に弱くなったが,数時間で回復し,洗浄72時間後まではっきりと観察できた.採血翌々日PCから調製した場合についても同様な結果が得られた.

以上のことから,自動血球洗浄装置ACP215を用いBRS-Aで調製した洗浄血小板の品質は,洗浄直後に一時的な低下が見られたものの大きなダメージではなく,洗浄72時間後でも良好に維持されていると考えられる.

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© 2016 日本輸血・細胞治療学会
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