日本輸血細胞治療学会誌
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原著
成分採血装置Trima Accelで採血した分割対象血小板原料血液由来の血小板製剤の品質
小池 敏靖渕崎 晶弘一杉 芽美小野寺 秀一金子 祐次岩間 輝平山 順一柴 雅之宮島 晴子林 宜亨有澤 史倫布施 久恵内藤 祐若本 志乃舞藤原 満博茶谷 真栗原 勝彦森 純平寺田 あかね大橋 祥朗永井 正佐竹 正博
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2018 年 64 巻 3 号 p. 490-495

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抄録

今般,安定的な血小板製剤(PC)の確保を目的とし,成分採血装置Trima Accelに,一人の献血者から2本分の10単位PCを一度に採血できるプログラムが搭載された.この採血方法では従来の方法と異なり,一つのポリ塩化ビニル製採血バッグ(PVCバッグ)に通常の2倍量の血小板原料が入る.さらに,その状態で採血当日または翌日まで保管後,2分割する必要がある.本検討では,採血翌日に分割した分割対象血小板原料血液由来10単位PC(分割PC)の品質を解析した.

採血後4日目までのTrima Accel由来の分割PCとCCS採血由来の非分割PCの品質を比較した結果,補体であるC5a濃度とpHは分割PCにおいて有意に高値であったが,正常範囲内であった.また,その他の血小板機能等に差はなかった.そのため,分割PCの品質は,従来の非分割のPCと同等であることが明らかになった.

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© 2018 日本輸血・細胞治療学会
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