2025 年 71 巻 1 号 p. 22-29
埼玉県合同輸血療法委員会は,血液製剤の供給実績のある埼玉県内437医療施設を対象に,院内輸血療法委員会の設置,活動内容などに関するアンケート調査を行った.155施設から回答が得られ(回答率35.4%),96施設(500床以上 15施設,300~499床 21施設,100~299床 35施設,1~99床 23施設,無床 2施設)で委員会が設置されていた.病床数が少ない施設ほど委員会が頻回に開催され,開催時間が短く,委員の出席率が高い傾向にあった.44委員会が輸血の適応を検討し,68委員会が適正使用を推進するための検討をしていたが,開催時間が短い委員会ほどこれらについて検討していない傾向がみられた.52委員会がフィードバックをしており,36委員会が改善状況を確認していた.血液製剤使用状況は93委員会で毎回報告されていた.65委員会がすべてのインシデントを把握しており,68委員会がインシデント防止対策を協議していた.副作用は74委員会が把握していた.20委員会が輸血マニュアルの遵守状況を監査していた.21委員会が他施設の委員会と情報交換していた.今回の結果に基づいた働きかけと,さらに詳細かつ具体的な内容の調査を計画している.