日本輸血細胞治療学会誌
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血液型不適合移植でのCOBE Spectra を用いた骨髄濃縮法の検討
平安山 知子宮本 敏浩和泉 賢一沼田 晃彦亀崎 健次郎山崎 聡清島 久美宮本 京子橋本 大吾岩崎 潤子岩崎 浩己長藤 宏司原田 実根稲葉 頌一豊嶋 崇徳赤司 浩一
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2006 年 52 巻 6 号 p. 693-697

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抄録

血液型不適合骨髄移植を行う際は, 輸注に伴う有害事象を避けるため, 骨髄液中の赤血球・血漿除去が必要である. 今回われわれは, 血液成分分離装置COBE Spectra により, 骨髄液から単核球を分離することで, 骨髄細胞濃縮を行った血液型不適合骨髄移植20例において, その有用性について検討した. COBE Spectra を用いた骨髄濃縮により, 赤血球量は98.4%除去され, 最終赤血球量は4.2±2.4mlであった. 有核細胞回収率は34.0±8.38%, CD34陽性細胞回収率は112.3±36.3%であった. 20症例全例で, 移植後の溶血反応および生着不全は認めず, 移植後造血回復は速やかであった. COBE Spectra を用いることで, 清潔な無菌閉鎖回路内において骨髄濃縮が可能となり, 処理時間も短縮された. 種々の細胞免疫療法の用途で広く普及しているCOBE Spectra を用いた骨髄濃縮法は, 血液型不適合骨髄移植における骨髄濃縮の標準的方法として有用であると考えられた.

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