熱物性
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非定常短細線加熱法と磁気アルキメデス効果を用いた卵白リゾチーム結晶の熱伝導率と熱拡散率の同時測定
牧 祥藤原 誠之前川 龍之介田中 誠一萩原 政幸
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2016 年 30 巻 3 号 p. 131-139

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抄録

非定常短細線加熱法と磁気浮上技術を併用して卵白リゾチーム(hen egg-white lysozyme (HEWL))の結晶の熱伝導率と熱拡散率を計測することに成功した. 結晶を短細線表面に付着させるために磁気アルキメデス効果を用いて結晶を磁気浮上させながら気液界面で析出させた. そのため沈殿剤に塩化ガドリニウム(常磁性物質)を使用した. 結晶成長開始から14時間後の熱伝導率は0.410 W/(m·K), 熱拡散率は3.77 × 10-8 m2/sであった. 20時間後の熱伝導率は0.438 W/(m·K),熱拡散率は5.18 × 10-8 m2/sであった. 結晶化温度は17.2 °C,印加磁場(磁束密度)は4.0 T, HEWLとGdCl3の濃度は6.53 wt%および0.362 mol/kg, pHは3.30である.

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© 2016 日本熱物性学会
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