水溶液で満たされた多孔質体の凍結は、 凍結の進行に伴いマッシュ領域とよばれる固液共存領域での透過率が変化することにくわえ、 水溶液の凍結に伴う溶質の排出とその溶質の拡散、 マッシュ領域および未凍結領域内における温度差と濃度差に起因する二重拡散対流が相互干渉しながら進行する複雑な現象である。 本報ではその凍結現象解明に不可欠なマッシュ領域での透過率がどの様な物理量に依存するかを検討するために, 著者らが提案した透過率の簡便な非定常測定法及びその測定結果について述べる。 さらに水溶液で満たされた多孔質体の凍結における二つの基本的な系 (く形容器内及び水平円管まわりの凍結) に対して, 著者らが行なつた解析とそれに対応する実験について解説する。