犬の術後疼痛評価のため、多くのペインスケールが発表されている。本研究では、測定誤差が少なく有用性が高い犬用のペインスケールを見出すことを目的とした。犬13頭に対して、3名の評価者が5種のペインスケール(視覚的アナログスケール、数値評価スケール、グラスゴー簡略版ペインスケール、コロラド大学ペインスケール、および動物のいたみ研究会による犬の急性痛ペインスケール)を使用した。術前、抜管後2時間および術後1日に疼痛評価を実施した。評価者間測定誤差の解析には級内相関係数(ICC)を使用し、ICCが0.7以上であれば測定誤差が少ないと判断した。その結果、コロラドスケールは周術期において測定誤差が少なく有用性の高いペインスケールであることが示された。