日本獣医麻酔外科学雑誌
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短報
  • 村上 善彦, 中野 康弘, 加藤 太司, 中川 恭子, 南 毅生
    2020 年 51 巻 3+4 号 p. 36-40
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/16
    ジャーナル フリー

    前縦隔に異所性甲状腺癌が発生した犬に外科手術を行った3例を経験した。3症例はCT検査を行い、他臓器への浸潤、転移、胸水を認めなかったため、細胞診、病理組織検査後、外科手術を行った。術後、症例1、3はそれぞれ1,050、1,420日経過しているが、再発転移なく良好に経過している。また、症例2は術後2,925日に腫瘍とは関連なく死亡した。症例の集積による検討が必要ではあるが、前縦隔に発生した異所性甲状腺癌は、他臓器に浸潤や転移がない場合、外科手術を行うことで良好な予後が得られる可能性が考えられた。

  • 井上 寛也, 砂原 央, 谷 健二, 井芹 俊恵, 堀切園 裕, 板本 和仁, 伊藤 晴倫, 中市 統三
    2020 年 51 巻 3+4 号 p. 41-45
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/16
    ジャーナル フリー

    12歳齢、雄のミニチュアダックスフンドが急に発症した嘔吐と食欲不振を主訴として、山口大学動物医療センターに来院した。血液検査では肝酵素と炎症マーカーの上昇が見られた。また、腹部の超音波検査ならびにX線CT検査では、胆嚢内にガスの貯留と結石が認められた。また、胆嚢内のガスの一部は腹腔内にも存在している可能性が示唆され、胆嚢破裂が疑われた。試験開腹では、肉眼的に重度な炎症を伴い、肝葉と癒着した胆嚢が認められた。胆嚢は肝葉との癒着の剥離の後に切除され、切除された胆嚢は肉眼的に内外の2層に解離しており、病理組織学的検査では重度の壊死を伴う化膿性炎症が認められた。また、その内容物から腸球菌が分離された。以上のことから、本症例は腸球菌の胆嚢内への感染による胆嚢壁の損傷を伴った気腫性胆嚢炎と診断された。動物の手術後の回復は良好であった。

  • 丹羽 昭博, 玉本 隆司, 遠藤 能史, 廉澤 剛
    2020 年 51 巻 3+4 号 p. 46-51
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/16
    ジャーナル フリー

    広範囲に狭窄し、穿孔した食道を有する6歳例の猫に対して、部分切除や吻合術が困難であったため、径の大きいネラトンカテーテル(NC)を食道へ挿入し、唾液の通過を確保すると同時に、NCを型にして食道となる管腔を再建した。NCを3ヶ月留置した後に抜去し、その後3年以上は軟らかい食餌ではあるが、吐出や嘔吐なしに自力採食可能であった。このことより食道の変性が広範囲におよぶ致死的な症例に対してNCを用いて管腔を再建する方法は有用であると考えられた。

  • 松本 淳, 奥田 綾子, 内田 佳美, 小儀 直子, 小儀 悦子
    2020 年 51 巻 3+4 号 p. 52-57
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/16
    ジャーナル フリー

    5歳、日本猫、避妊済みの雌猫が食欲不振と開口障害を主訴に来院した。一般身体検査で、左側頭部に硬性の腫瘤性病変を認め、FeLV検査は陰性であった。その腫瘤性病変に対し、診断と減容積を目的とする切除生検を行い、骨軟骨腫と病理組織診断された。その後、2回の外科的切除を実施したが、完全切除には至らず、開口障害の改善にとどまった。切除生検後53ヶ月目から腫瘍病変の増大速度の低下とレントゲン透過性の亢進像が認められ、最後の59ヶ月間では1.3 mmの増大にとどまった。16歳時に骨軟骨腫とは別の要因により死亡した。約10年間の長期的経過観察中、腫瘍は存在したものの、転移はなく、開口障害もなく、通常の摂食行動が可能であった。

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