獣医臨床皮膚科
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短報
無菌性脂肪織炎との鑑別を要した異物肉芽腫のミニチュア・ダックスフンドの3例
志賀 朋子松浦 幹人関口 麻衣子伊從 慶太井手 香織岩﨑 利郎西藤 公司
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2012 年 18 巻 2 号 p. 107-110

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抄録

本稿では,犬種および症状から無菌性脂肪織炎が考慮されたものの,病変部の切除生検により異物肉芽腫と診断されたミニチュア・ダックスフンドの3例を経験したので報告する。いずれの症例でも臨床的に皮下結節が認められ,病変部の切除により症例1では病巣から針葉樹の葉が,症例2では竹串が,症例3では縫合糸が摘出された。病理組織学的には,3症例ともに異物を取り囲む化膿性肉芽腫性炎が認められた。犬に皮下結節を認めた場合,異物肉芽腫などの類症鑑別を常に考慮に入れ,切除生検を実施する必要があると考えられた。

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© 2012 日本獣医皮膚科学会
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