2015 年 21 巻 3 号 p. 155-159
犬におけるグルココルチコイド製剤による副腎皮質機能抑制は一般に全身投与で危惧され,外用薬による報告は少ない。われわれはトリアムシノロンアセトニド配合クリームを3ヵ月,またヒドロコルチゾンアセポン酸エステルローションスプレーを10ヵ月使用していた犬各1例にステロイド誘発性皮疹,さらにACTH刺激試験により副腎皮質機能抑制を認めた。いずれも休薬後,皮膚と副腎皮質機能の改善を認めた。アンテドラッグを含めた外用グルココルチコイド製剤の長期使用が下垂体-副腎軸へ影響することが明らかにされた。