2020 年 26 巻 4 号 p. 199-203
10歳齢の猫が右下眼瞼の小結節から出血し受診した。結節は59日後に直径10 mmに増大し,外科的に切除した。病理組織検査で腫瘍細胞は血管内皮に酷似し,ビメンチンと第VIII因子関連抗原の免疫染色で陽性を示したことから血管肉腫と診断した。術後トセラニブを投与したが,38日目に下眼瞼の小結節から出血し受診した。結節は43日目に20 mmに増大したため同剤の投与を中止し,βグルカン製剤を投与した。結節は87日目に25 mmに増大したが出血は著減,104日目に出血もなく脱落し320日目も消失を維持している。