2020 年 27 巻 1 号 p. 21-26
7歳齢,未去勢雄の雑種犬。他院より難治性の皮膚炎として当院を紹介受診。紹介される1年ほど前より包皮周囲の皮膚炎の治療を受けていた。医原性クッシング及びステロイド皮膚症と診断,経口のプレドニゾロンを漸減し,ステロイド含有の外用薬の塗布を中止したところ,5ヶ月程でほぼ略治したが,その約1ヶ月後に包皮の先端にマス様病変が認められ,病変部位の組織生検より皮膚上皮向性T細胞性リンパ腫と診断した。外科切除を実施後およそ10ヶ月間,完全寛解の状態を維持している。