森林野生動物研究会誌
Online ISSN : 2424-1393
Print ISSN : 0916-8265
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標識調査で明らかとなった東北地方におけるヒナコウモリVespertilio sinensisの生存期間と長距離移動
佐藤 顕義高橋 修秋葉 保夫峰下 耕佐々木 玲子作山 宗樹
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キーワード: 標識・再捕獲法, 寿命, 移動
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2017 年 42 巻 p. 37-44

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抄録

1996年から2015年までの筆者らによる東北地方でのヒナコウモリの標識再捕獲調査の結果を整理した.解析に当たっては他の研究者の記録も加えた.解析は生存期間と長距離移動について行い,既存資料も参考にした.生存期間の最長はオスの7年9カ月であった.既存資料ではメスの11年が記録されていた.移動の最長はオスの京都府から宮城県間の約599kmであった.既存資料ではオスの青森県から京都府間の約784kmが記録されていた.東北地方におけるメスは越冬期には南下または太平洋側に移動している可能性が考えられた.

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© 2017 森林野生動物研究会
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