日本野生動物医学会誌
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原著
飼育下バーラル(Pseudois nayaur)における加齢に伴う精液性状の変化
楠 比呂志西角 知也中川 大輔瀧田 豊治栗田 大資上道 幸史上田 かおる大江 智子奥田 和男楠田 哲士土井 守
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2005 年 10 巻 2 号 p. 91-94

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抄録
1.5歳から5.5歳までの4年間の加齢に伴うバーラル(Pseudois nayaur)の精液性状の変化を調べた。精液は, 2001年12月から2005年2月までの間の4回の繁殖期に, 2頭の雄から人工腟法で採取した。28回中25回で精液が採取できた。得られた精液の性状は, 1.5歳時ではかなり劣悪であったが(精液量 : 0.24ml, 精液pH : 8.3, 精子濃度 : 13.8百万/ml, 精子運動指数 : 0.0, 生存精子率 : 0.0%および形態正常精子率 : 54.1%), 加齢に伴って向上し, 4.5歳以上で概ね安定し, その時点での性状は(精液量 : >1ml, 精液pH : 6.8, 精子濃度 : 3500〜4000百万/ml, 精子運動指数 : <80, 生存精子率 : >70%および形態正常精子率 : >95%), 家畜のヤギやヒツジに匹敵する程良質であった。
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© 2005 日本野生動物医学会
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