抄録
1.5歳から5.5歳までの4年間の加齢に伴うバーラル(Pseudois nayaur)の精液性状の変化を調べた。精液は, 2001年12月から2005年2月までの間の4回の繁殖期に, 2頭の雄から人工腟法で採取した。28回中25回で精液が採取できた。得られた精液の性状は, 1.5歳時ではかなり劣悪であったが(精液量 : 0.24ml, 精液pH : 8.3, 精子濃度 : 13.8百万/ml, 精子運動指数 : 0.0, 生存精子率 : 0.0%および形態正常精子率 : 54.1%), 加齢に伴って向上し, 4.5歳以上で概ね安定し, その時点での性状は(精液量 : >1ml, 精液pH : 6.8, 精子濃度 : 3500〜4000百万/ml, 精子運動指数 : <80, 生存精子率 : >70%および形態正常精子率 : >95%), 家畜のヤギやヒツジに匹敵する程良質であった。