日本野生動物医学会誌
Online ISSN : 2185-744X
Print ISSN : 1342-6133
ISSN-L : 1342-6133
症例報告
飼育ニホンライチョウ(Lagopus mutus japonicus)に認められた鶏痘ウイルス感染
Mi Htay Htay Yu山口 剛士宮野 典夫清水 博文村井 厚子柳井 徳磨柵木 利昭大屋 賢司福士 秀人
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 12 巻 1 号 p. 77-80

詳細
抄録

市立大町山岳博物館で1985年に原因不明で死亡し,2005年まで冷凍保存されていた飼育ニホンライチョウ1羽の死亡原因を検索した。嘴の蝋膜に結節状病変を認め,禽痘ウイルス(APV)感染が疑われた。蝋膜病変部組織,肺および肝臓からPCRによりAPV特異的4b core遺伝子が検出された。増幅産物の塩基配列は,鶏痘ウイルス(FWPV)と100%一致した。FWPV病原株に特異的な細網内皮症ウイルスの配列も検出され,このライチョウがFWPV病原株の感染により死亡したことが推察された。

著者関連情報
© 2007 日本野生動物医学会
前の記事
feedback
Top