日本野生動物医学会誌
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症例報告
PCR と LAMP 法の組み合わせにより診断されたバンドウイルカ(Tursiops truncatus)と オキゴンドウ(Pseudorca crassidens)のクジラ型パラコクシジオイデス症
鐘ケ江 光Igor Massahiro de SOUZA SUGUIURA佐々木 恭子大塚 美加濱野 剛久田代 連太郎Mario Augusto ONO和田 新平Eiko NAKAGAWA ITANOMd. Amzad HOSSAIN佐野 文子植田 啓一
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2023 年 28 巻 2 号 p. 107-114

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抄録

 Paracoccidioides cetiiを原因菌とするクジラ型パラコクシジオイデス症 (英名:paracoccidioidomycosis ceti) は,小型鯨類を宿主とし,皮膚の慢性肉芽腫性病巣を特徴とする人獣共通真菌症である。今回,臨床症状を示すものの従来法では確定診断に至らなかったバンドウイルカ(Tursiops truncatus) とオキゴンドウ (Pseudorca crassidens) の皮膚病変生検組織由来DNAより,原因菌の特異的遺伝子であるgp43をPCRとLAMPの組み合わせにより検出し,確定診断を得た。なお,オキゴンドウ症例は世界初の確定診断例である。

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© 2023 日本野生動物医学会
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