日本野生動物医学会誌
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症例報告
持効型インスリンで治療した飼育下の糖尿病のクロザル (Macca nigra ) の1 例
柿阪 圭太境 秀文林 紘太郎佐渡 晃弘光崎 昌輝五島 渉大澤 夏生柏渕 幸治塚田 光司前野 良史黒川 明美植田 薫滝口 満喜柴田 千賀子
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2024 年 29 巻 2 号 p. 87-91

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抄録
クロザルはインドネシアに生息するマカク属のサルで,絶滅危惧種に指定されている。14 歳のオスのクロザルに飲水量の増加, 視覚の喪失,削痩が認められた。検査では,高血糖,尿糖が認められ,糖尿病と診断した。持効型インスリンであるグラルギンの 投与により,血液生化学検査の数値と栄養状態に改善が認められた。グリコアルブミン(GA)と平均血糖値には中程度の相関が 認められ,グラルギン投与と GA の評価はマカク属のサルの糖尿病治療で有用である可能性が示唆された。
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