2002 年 7 巻 1 号 p. 87-90
北海道石狩地方で野生化したアライグマ(Procyon lotor)260個体のうち13個体からオーシストが検出され,少なくとも,Eimeria procyonisに近似の種(E. cf. procyonis)とIsospora ohioensisが同定された。日本で野生化したアライグマにおけるEimeria属オーシストの確認はこれが初めてである。また,I. ohioensisのオーシストのアライグマから確認は初報告と考えられる。ラテックス凝集反応によるトキソプラズマToxoplasma gondiiの血清抗体検査により,陽性率13.5%から15.0%を得たが,アライグマの原産地である北米に比べ低めであった。