日本野生動物医学会誌
Online ISSN : 2185-744X
Print ISSN : 1342-6133
ISSN-L : 1342-6133
研究短報
外来種アライグマ(Procyon lotor)からのコクシジウム類Eimeria属およびIsospora属の初確認とトキソプラズマ抗体の保有状況
的場 洋平淺野 玄増渕 寿子浅川 満彦
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 7 巻 1 号 p. 87-90

詳細
抄録

北海道石狩地方で野生化したアライグマ(Procyon lotor)260個体のうち13個体からオーシストが検出され,少なくとも,Eimeria procyonisに近似の種(E. cf. procyonis)とIsospora ohioensisが同定された。日本で野生化したアライグマにおけるEimeria属オーシストの確認はこれが初めてである。また,I. ohioensisのオーシストのアライグマから確認は初報告と考えられる。ラテックス凝集反応によるトキソプラズマToxoplasma gondiiの血清抗体検査により,陽性率13.5%から15.0%を得たが,アライグマの原産地である北米に比べ低めであった。

著者関連情報
© 2002 日本野生動物医学会
前の記事
feedback
Top