日本野生動物医学会誌
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原著
飼育管理下のゴールデンターキン(Budorcas taxicolor bedfordi)とシバヤギ(Capra hircus)の飼料消化性の比較
田中 聡美田村 理恵楠田 哲士宮原 晃義園田 豊佐伯 真魚松本 力村田 浩一小牧 弘
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2003 年 8 巻 2 号 p. 115-120

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抄録
偶蹄目ウシ科ヤギ亜科に分類されるゴールデンターキン(Budorcas taxicolor bedfordi)とシバヤギ(Capra hircus)の飼料消化性を比較するため,両種に同じ飼料を給与し,(1)飼料の消化管通過速度,(2)一般成分,構造性・非構造性炭水化物の消化率,(3)栄養価と要求量について検討した。ゴールデンターキンは横浜市立よこはま動物園で飼育管理されている雄1頭,シバヤギは日本大学生物資源科学部実験動物研究センターで飼育管理されている雄1頭および雌2頭を供試した。飼料の消化管通過速度の測定には指示物質として酸化クロム(Cr2O3_)を用い,消化率の測定は全糞採取法で行った。消化管通過速度は,ゴールデンターキンおよびシバヤギでほぼ同様で,酸化クロム排泄のピークはいずれも24〜48時間の間であった。消化率は,飼料のすべての成分においてゴールデンターキンの方が高かった。ゴールデンターキンにおける維持エネルギー要求量は,基礎代謝エネルギーの1.71倍であり,シバヤギの2.68倍に比べてエネルギー要求量が低かった。
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© 2003 日本野生動物医学会
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