日本野生動物医学会誌
Online ISSN : 2185-744X
Print ISSN : 1342-6133
ISSN-L : 1342-6133
症例報告
ラッコの妊娠後期における胎子死亡例
寺沢 文男戸田 尚夫山本 康夫大西 善久大橋 信明
著者情報
キーワード: ラッコ, 繁殖, 帝王切開
ジャーナル フリー

2003 年 8 巻 2 号 p. 127-130

詳細
抄録

推定妊娠189日目のラッコ(Enhydra lutris)が膣より出血した。その前日より食欲廃絶し,以後摂餌不良となった。レントゲン検査や母獣の行動から胎子の死亡を疑った。オキシトシン5,10,20単位,プロスタグランジンF_<2a>10mgをそれぞれ投与したが,出産までには至らなかった。帝王切開により死亡した胎子(オス,全長51.6cm,体重1.93kg)摘出を行ったが,母獣も麻酔(イソフルレン,導入5%,維持2〜4%)から覚醒することなく死亡した。

著者関連情報
© 2003 日本野生動物医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top