抄録
Cytolethal distending toxin(CDT)は、様々な細菌より産生されるholotoxinであり、宿主細胞にG2期での細胞周期の停止やアポトーシスを誘導することが知られている。CDTには3つのサブユニット(CdtA・CdtB・CdtC)が存在し、それぞれが毒素活性に必要であるが、DNase活性を持つCdtBが活性本体であると考えられている。今回我々は、癌細胞へCdtBの単独投与を試み、その毒素活性を観察した。A. actinomycetemcomitans由来 CdtBで形質転換したE.coliリコンビナントタンパクを発現させ、CdtBタンパクを精製した。次に、BioPORTERTMを用い、ヒト歯肉扁平上皮癌cell line Ca9-22にCdtBを導入し、MTT assay、F1ow cytometry, hoechst染色で評価した。CdtAとCdtCの存在しないCdtB単独投与でもG2期での細胞周期の停止は認められたが、アポトーシスの所見を示した細胞はわずかであった。