九州歯科学会総会抄録プログラム
第66回九州歯科学会総会
セッションID: P-13
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唾液分泌刺激に伴うγ-グルタミルトランスペプチダーゼのラット舌下腺細胞内局在変化
*増田 渉自見 英治郎
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抄録

γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(GGT)は膜結合型タンパク質であり、特に分泌や吸収といった機能に長けた細胞に多く存在している。本研究では、ラット舌下腺GGTの唾液分泌刺激 (交感・副交感神経刺激)による細胞内局在変化を、ショ糖密度勾配遠心法を用いて検討した。基底側膜、管腔側膜、分泌顆粒のマーカー分子としてそれぞれNa+/K+ ATPase、AQP5、およびMG1を用いた。無刺激時、大部分のGGT活性はMG1を含む低密度画分に回収されたが、Na+/K+ ATPaseとAQP5を含む高密度画分にも一部回収された。副交感神経刺激をして2時間後、高密度画分のGGT活性が増大する一方で、低密度画分のそれはMG1とともに消失した。またこの時MG1とGGT活性を含む新たな小画分が出現した。さらに刺激10時間後には無刺激時とほぼ同様の状態に戻った。一方、交感神経刺激では、全く変化が認められなかった。平時、GGT分子の大部分は分泌顆粒膜に存在するが、唾液分泌刺激に伴い分泌顆粒膜と管腔側膜との融合とともに細胞膜に移行し、そして再び分泌顆粒膜に取り込まれると考えられた。

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© 2006 九州歯科学会
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