九州歯科学会総会抄録プログラム
第66回九州歯科学会総会
セッションID: P-15
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石灰化能を有するラット由来歯髄細胞株の樹立
*野見山 貴美子北村 知昭諸冨 孝彦上野 喜子辻澤 利行西原 達次寺下 正道
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抄録

我々の研究グループは、象牙質・歯髄複合体の創傷治癒機構解明と再生療法確立を目的として、ラット由来RPC-C2A細胞を用いて研究を行ってきた。しかしながら、この細胞株は、象牙質を形成するのに必要とされる石灰化能について安定した結果が得られず、再生療法の研究を進めていく上で、いくつかの問題点を残していた。そこで今回、ラット歯髄より歯髄細胞を株化し、その性質について検討した。7日齢ラット切歯歯髄から細胞を分離した後、20ヶ月継代を続けた培養細胞(KN細胞)を限界希釈によりクローニングし、数種類の細胞株を樹立した。それらの細胞株のALP活性測定と、アスコルビン酸・β-グリセロリン酸存在下で30日間培養した後von Kossa染色を行い、歯髄細胞株の石灰化能を検討した。ラット歯髄より樹立したKN細胞の中からALP活性の高いものを3種類選び、KN-1、KN-2、KN-3細胞株とした。これらのKN細胞はvon Kossa染色でも強い陽性反応が認められた。今回、ラットより石灰化能を維持している歯髄細胞株(KN細胞)の樹立に成功した。

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© 2006 九州歯科学会
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