九州歯科学会総会抄録プログラム
第66回九州歯科学会総会
セッションID: P-27
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歯周治療により口唇閉鎖不全が改善した一症例
田代 芳之武石 有司野田 智佳代田原 準郎横田 誠
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キーワード: 口唇閉鎖不全, 歯間離開
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抄録

我々は、口唇閉鎖不全を有し上顎前歯部の歯肉の腫脹を主訴に来院した患者に、徹底した歯周治療を行い口唇閉鎖不全が改善した症例を報告する。患者は、30歳女性で副鼻腔炎の既往があり、喫煙経験があった。現病歴は、数年前から上顎前歯部に歯肉腫脹が発現。その後1年間2軒の開業医でカリエス治療、ブラッシング指導、歯石除去を受けるが歯肉腫脹の再発を繰り返した。そこで重度歯周炎と診断され九州歯科学大学歯周病科を紹介され来院した。歯間部を中心に中等度から重度の歯周炎に罹患しており、3~3に1度の動揺度と150μm以上の歯間離開度が認められた。歯周治療はプラークコントロール、SRP、など非外科的処置を中心に行った。その結果、歯周ポケットの劇的な改善、動揺の減少、それに歯間離開度の顕著な減少が認められた。同時に初診時に認められた口唇閉鎖不全が歯周治療後に明らかに改善されていた。本症例は、歯周治療により歯間離開の閉鎖と口唇閉鎖不全の改善にも効果があることが示唆された。

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© 2006 九州歯科学会
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