日本語教育方法研究会誌
Online ISSN : 2423-9909
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上級日本語学習者のための読書支援プログラム : 開発と形成的評価
来嶋 洋美鈴木 庸子駒井 利江加藤 由香里カッケンブッシュ 寛子
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1995 年 2 巻 1 号 p. 10-11

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抄録
上級日本語学習者が効率的な読解学習を行うためには、1)ある程度の分量の読書をするために、辞書引きにとられる時間を短縮すること、2)学習者が興味関心のある題材を選択できるよう複数の教材が準備されていること、が必要である。この開発研究では、ハイパーカードを使用して辞書引き機能のついた読解プログラムを開発した。十冊の新書を選択し、各々の第1章から、読解本文を取り上げることとした。そして上級読解授業の補完的な位置づけの中で、そのうちの一つを使用し、学習者へのアンケートによるフィードバックを得た。その結果、本文及び辞書の内容には概ねプラス評価が出ており、プログラムの読解支援の役割が認識されていたが、単語の読み方の音声情報や要約等の機能の付加が要望にあがった。授業関連ではプログラムの有用性と共に学習環境の整備の必要性が、また学習者の情意的側面への関連では、学習者を自主的読書に導くためにより魅力的な要素を取り入れたプログラムを開発していく必要性が示唆された。
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© 1995 日本語教育方法研究会
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