日本地すべり学会誌
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論文
道路ネットワークの靭性向上に資する地震時斜面崩壊の簡易リスク評価手法
種平 一成藤原 康正若井 明彦
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2022 年 59 巻 3 号 p. 77-91

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抄録

 2016年熊本地震において被災した阿蘇地域周辺の7路線 (総延長約70km) の実被害データをもとに, 危険度と影響度を組み合わせた被害想定手法の開発を試みた。道路沿いの地形・地質条件をもとに危険度別かつ震度別崩壊発生確率を設定するとともに, 崩壊土砂量と土砂撤去時間に基づく影響度を設定し, モンテカルロシミュレーションにより確率論的に崩壊発生場所や崩壊規模さらに路線や区間毎の土砂撤去時間 (啓開時間) を算出するモデルを構築した。検証の結果, 実際の被害状況が概ね再現され, 地震時の斜面崩壊によって引き起こされる道路ネットワーク機能の低下を定量的に評価できる可能性が示された。

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