日本地すべり学会誌
Online ISSN : 1882-0034
Print ISSN : 1348-3986
ISSN-L : 1348-3986
技術報告
斜面崩壊後の植生遷移に伴う表層のせん断強度回復の計測事例
瀬﨑 章太郎稲垣 秀輝鵜澤 貴文小坂 英輝上野 将司若井 明彦江口 和暉
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 59 巻 3 号 p. 99-106

詳細
抄録

 近年, 日本では豪雨による斜面災害, 特に表層崩壊が多発しているが, これらを迅速, かつ安価に小労力で調査する手法が少ないのが現状である。筆者らは従来のボーリング調査, サウンディング調査や物理探査に比べて, 表層土深と表層土内の粘着力, 内部摩擦角を簡単に計測できる土層強度検査棒による斜面計測と, 地表植生の遷移状況を用いて, 表層斜面の安定性を評価する調査を行った。その結果, 同じ傾斜角度と表層土深を持つ崩壊斜面でも, 植生が侵入し遷移することで粘着力が増大し, せん断強度が回復することが分かった。この粘着力の増加傾向は, 高木が侵入し定着した段階で, 大きくなることが分かった。これらの結果は, 危険斜面の抽出に土層強度検査棒調査と植生調査を平行して行うことが有用であることを示しており, 我が国の多くの表層斜面で利用可能である。

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 日本地すべり学会
前の記事 次の記事
feedback
Top