島尻層群の地すべりにおける降雨の斜面地盤内浸透過程の解明の一助とするため, 島尻層群豊見城層を対象として粒度組成が透水性に与える影響を検討した。露頭から採取した供試体の透水係数は, 中央粒径値と累乗近似の関係を示した。一方, 同程度の中央粒径の供試体に対して透水係数が増加するものもあった。X線CT撮影による供試体の内部構造観察では, 透水係数が中央粒径に依存した供試体内部には顕著なクラックはなく, 同程度の中央粒径に対して透水係数が増加した供試体にはクラックがみられた。試料を練り返し圧密した再構成試料のクラックなし供試体の透水係数は, 累乗近似線の近傍にプロットされた。これらより, クラックが透水係数を増加させることが分かった。このことは, 島尻層群では, 降雨を誘因とする地すべり発生における地下水供給メカニズムとして, クラックの有無が水みちを支配している可能性を示している。