地すべり
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新潟県下に分布する魚沼層群の地すべりと地質構造との関係について (1)
岩永 伸
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1974 年 11 巻 3 号 p. 1-10

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抄録

新潟県下に分布する魚沼層群は新第三紀鮮新世から第四紀洪積世にかけての堆積物で, 主として砂岩・泥岩の互層よりなる。他の新第三紀層の分布地に比較して地すべりの発生頻度は少なく, 規模も小さいが, 時に急激に発生し, 大きな災害をひきおこしている例が多数あり注意を要する。筆者は同層群内に分布する約1000カ所の地すべり地塊を記載してその特徴を統計処理や現地調査の結果等によって考察した。その結果, 特徴的なことは背斜軸の近くに広大な旧期地すべり地形がみられることで, かなり古い時代に大規模な地すべりが多発したことを示している。これらの旧期地すべりを含めた一次地すべりは地層傾斜方向に近いほど多発しており, 面積も大きいなど種々の地すべりに対する地質構造による規制が明らかになった。

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© 社団法人日本地すべり学会
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