抄録
Janbu法は, 非円弧すべりの場合, 厳密解に対する誤差が小さいという点で評価を得ている。しかし一方では, 算出される解が厳密解より大きいのか小さいのかが把握し難く扱い難い, 急傾斜をなす地すべりには不向きではないか, 簡易Janbu法の修正係数を一義的に決められない等の問題点が指摘されている。そこで, これらの問題点について全国の非円弧すべりの現場事例とモデル断面を用いて検討した。その結果, Janbu法の解が厳密解より1%以上大きくなる頻度は, 一般的に厳密解より小さな解を算出するといわれている簡便法と同程度であること, 誤差が1%未満となる頻度は簡便法の約2倍であること, 逆に誤差が10%以上となる頻度が簡便法の3分の1以下であることがわかった。また, Janbu法が収束しない条件や簡易Janbu法の修正係数の一義的な与え方についても検証されたことで, 岩盤地すべりに代表される非円弧すべりにおいてJanbu法が簡便法よりも優位であり, 実用性も十分であることが再確認された。