地すべり
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地すべり運動の地質学的解明
山形県楯ノ沢地すべり地を例として
山野井 徹
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2002 年 39 巻 3 号 p. 307-318

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抄録

道路開設によって現れた地すべり地の頭部の露頭の堆積物 (砂質層と黒土層) が解析された。地すべりが発生すると頭部のIII Aブロックには, その凹凸を埋めるように砂質層が堆積し, 平坦化されると黒土層が堆積した。それらの堆積物の荷重が次の地すべりを生むというサイクルが数次にわたりくり返されていた。このブロックの地すべりの進展は地すべり地全体が地形的な老年期化に向かう中で位置付けられた。こうした地すべり地の歴史的変遷の解明の上に予防対策について言及された。

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© 社団法人日本地すべり学会
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