抄録
要旨:糖尿病は足潰瘍や壊疽の主要な基礎疾患である.わが国では食事や運動などの生活習慣の変化にともない,糖尿病とくに 2 型糖尿病患者が急増してきており,今後さらに糖尿病を発症基盤とした足病変患者が増加することが危惧される.糖尿病足病変は特殊な病態を多く含んでいるため,糖尿病あるいは糖尿病合併症の病態生理を十分に理解して,予防のためのフットケアや治療をおこなう必要がある.すなわち,美容的なフットケアではなく,足病変予防を目的とした医療としてのフットケアをおこなうべきであり,糖尿病神経障害や動脈硬化症が足病変の発症・進展増悪にいかに関与しているのかを熟知しておかなければならない.下肢救済および足病学における糖尿病内科の主たる役割は足病変の予防である.糖尿病患者全員にフットケアをおこなうのが理想であるが,現実的には難しい.今後,糖尿病外来においてハイリスク患者を効率よく選別して教育や予防処置をおこなうシステムの構築を考えていく必要がある.