抄録
要旨:外来に通院する糖尿病患者へのフットケアの実践経験や,研究会等でのフットケア技術と知識の習得を通して,フットケアの枠組みが形作られた。患者と看護師が共に,これまで意識してこなかった足を意識したり,足を大切にするプロセスを共有したり,よくなっていく足を体験するということが生じ,高血糖状態にさらされた「身体を気遣う」ことが始まると考えられた.入院患者への足のケアでは,切断の可能性も視野に入れなくてはならない患者にも出会う.不安と心配で押しつぶされそうな病棟ナースに対してコンサルテーションを受け,皮膚・排泄ケア認定看護師の力を借りながら,病棟ナースが,安定してケアが継続できるよう協働してケアをサポートすることも大切な役割である.『足』という部分からケアして,足の部分の手入れにとどまらず,患者が病気と共に生き抜いていくことへの手助けとなるようなフットケアを広めていきたいという願いを持って活動している.