日本下肢救済・足病学会誌
Online ISSN : 2187-1957
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総説
重症虚血肢に対する血管内治療
横井 良明
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2012 年 4 巻 1 号 p. 3-11

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抄録
重症虚血肢(critical limb ischemia; CLI)は下肢閉塞性動脈硬化症の最も重症な臨床病型であり,糖尿病,末期腎不全の増加などを考慮すると今後CLI の増加が予想される.CLI の多くは多区間に病変が存在し,膝窩動脈以下に責任病変を伴っていることが多い.近年の血管内治療(endovascular therapy; EVT)の進歩は著しく,腸骨動脈から膝窩動脈以下までカテーテルによる血行再建が可能になった.EVT の施行は跛行と異なり,積極的な血行再建が必要になる.特に腸骨動脈,浅大腿動脈領域においてはステントを用いて確実な血行再建を行う.また膝窩動脈以下は正確な血管造影を施行し,前脛骨動脈ないしは後脛骨動脈の開存を試み,可能であれば,2 枝への血行再建を施行する.EVT によるCLI の治療は今後の主たる血行再建になる.
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© 2012 日本下肢救済・足病学会
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